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慢性腎臓病 2024.02.19
腎臓病の症状について
**慢性腎臓病(CKD)の症状**
CKDは段階的に進行し、腎機能の低下により体内に危険なレベルの液体、電解質、廃棄物が蓄積します。( ☞<腎臓の働きについて>)
— 初期 —
初期の段階では症状がほとんどないため、なかなか自分で気が付くことが困難です。
そのため、まずは以下の症状から疑ってみることことも大切です。
○夜間頻尿
腎臓の機能が低下すると、夜間に何度も排尿が必要になる「夜間頻尿」などの軽い症状が現れることがあります。
これは、健康な状態では腎臓が尿から水分を吸収して尿の量を減らし濃縮しますが、腎臓の機能が低下するとこの濃縮能力が失われ、結果として尿量が増えるためです。
○たんぱく尿
たんぱく尿は、尿中に通常では認めない蛋白質が見られる状態を指します。
腎臓が何らかの原因で障害をうけたときに発生しますが、たんぱく尿を認めたからと言って、必ずCKDと限ったわけではありません。
また、たんぱく尿のみでは自覚症状はほぼ認めません。
しかし、大量のたんぱく尿を認める場合は、排尿後の便器に非常に細かく、消えにくい泡が残ることがあります。また、健康診断などで、蛋白(±)や(+)等を指摘された場合はたんぱく尿を継続的に認めている可能性があります。
このような場合は、できるだけ早く、医師に相談した方がいいでしょう。
— 中等症 —
CKDのステージ3に該当します.。ステージ3はさらにG3aとG3bに細分化されます。
ステージG3a:(GFR値 45~59)
この段階では、電解質バランスの崩れや日中の尿産生の低下、造血ホルモンの産生の低下などが起こり、むくみ、手足がつる、夜間頻尿、腎性貧血による疲れやすさや顔色の悪さといった症状が見られます。
ステージG3b:(GFR値 30~44)
この段階でも、ステージG3aと同様の症状が見られますが、症状がさらに進行する可能性があります。
このステージでは、個人個人で症状が非常に異なります。血液検査では何らかの合併症を認め始めているものの、体調には変化がなく自覚症状を感じない方も多くいます。そのような場合、定期的に血液検査でしか、現在の病状を把握できません。
適切な間隔で検査を行い、食事療法や薬物療法の調節が必要になります。
— 高度~末期 —
CKDのステージ4.5に該当します。
腎臓の機能低下が進むと老廃物が体の中にたまって様々な症状がみられるようになります。
倦怠感・イライラ、思考力・記憶力の低下、かゆみ、吐き気、尿量低下、血圧上昇、息苦しさなどです。
ステージ4:(GFR値 15~29)
多くの場合、貧血やミネラル異常、骨の異常など腎臓機能低下によるさまざまな異常を伴います。
また、重篤な心血管疾患にかかりやすく、末期腎不全や心血管死亡の発症、死亡のリスクが高い状態にあります。
そのため、より厳格な生活改善、食事療法、薬物療法が必要となります。これによって、透析の開始を可能な限り遅らせます。
ステージ5:(GFR値 15未満)
様々な症状を認め、腎代替療法(血液透析、腹膜透析)が選択肢に入ってきます。
CKDの治療には、早期発見と適切な管理が重要です。